初恋が終わる頃に





二人が座る間には、一人分の空間があって…



だけど気づけば一人分の空間さえ閉ざされ、俯く顔を上げれば…彼が空間を埋めていたんだ。



「何でお前が泣くんだよ…」



「泣いてないです…よ?」



彼はあたしの頬に手を当てて、何かを拭う。



涙…



知らない間にあたしの涙腺が崩壊していたんだ。



あたしより先に気づいた彼は、そっと横に来てくれて…とても悲しかった。



「大丈夫です…だけど」



「ん」



「元気になってもらいたかったのに、また泣いちゃった…」



感情は隠せなくて、嘘もつけない。



自分の感情が素直すぎて、嫌になっちゃう。





< 28 / 81 >

この作品をシェア

pagetop