初恋が終わる頃に
"今帰ったよ"
それだけを打ち込むと、即座に送信ボタンを押した。
テレビもないこの部屋は静かなはずなのに、何故か落ち着かない。
あの公園のベンチの方が…安心出来た気がした。
それは、どうして?
しばらくすると真美から電話がかかってきて、ベッドの上で寝転びながらも携帯を耳に当てた。
「もしもし?」
『あ、瑞樹!…って元気なくない?』
「大丈夫だよ。どうしたの?」
たった一言で、一瞬の内に真美に気づかれてしまう。
親友だからこそ…分かってしまうのかな。
簡単に優木くんとの会話を話すと、『へぇ』とだけ返されてしまった。