初恋が終わる頃に
朝になれば、ジリジリといつもと同じ目覚まし時計が鳴り響く。
眠い目をこすりながらも目覚ましを切って、起き上がり学校へ行く準備をする。
もうすぐ高校2年が終わる。
春になれば3年生になって、あっという間に卒業だ。
進路も特に決めていないあたしは、よく担任に呼び出しをされる。
今日も同じく…放課後担任に職員室へ呼び出された。
「失礼しまーす」
コーヒーのほろ苦い香りと、充満したタバコの匂いが鼻につく。
職員室の奥で若い男の担任が手招きをしているのに気づくと、そそくさと足を踏み入れる。
「ちゃんと来たか。いつもは逃げるのに」
「何となくです」
「って事は、ちゃんと進路決めたのか?」