初恋が終わる頃に





"久しぶりだな"



耳に入ってきてズキンと胸が痛くなった。



この前会ったのは、公園で別れを告げられたのが最後だったから…



陸はあたしに同情した?



あたしの事、1ミリも想ってくれてなかったの?



聞きたいけど答えが怖くて、その場で無言になってしまう。



「しょ、職員室に用事があったの?」



「あぁ。担任に呼ばれた」



陸もあたしと同じように呼び出されてたんだね。



どうせ進路はとっくに決まってるだろうから、他の用事だとは思うけど。



すると陸は、情けないとばかりに表情を変えた。



「実は…進路希望出してないんだよ」



「え?」



まさか聞くわけでもなく、陸からそんな事言ってくるなんて思ってもなかった。



しかも進路決まってなかったんだと知る。





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