初恋が終わる頃に





でも…



「進路は1年の時に決めてあるって言ってなかった?」



「あれは…ごめん」



付き合ってる時、あたし達は一度だけ進路の事で話した事があった。



その時、余裕の笑みで"大学行く"って言ってなかった?



あれは…嘘?



「もう瑞樹は進路決まってるのかと、てっきり思い込んで…調子乗った」



あの時、あたしは軽い口調で"大学行こうかな"なんて呟いたのを思い出す。



それを聞いて陸は、話を盛ったんだと今更気付く。



「心配させたくなかった。後、惨めな俺も見せたくなかった」



初めてあたしに嘘をついてた事を話した。



だけど、結局あたしも大学へ行きたいなんてサラサラ思った事もなかった。



つまり、お互い嘘をついていたなんて…別れた後に知ると少し切ない。







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