初恋が終わる頃に
自分の教室に戻ると、真美ともう一人の男友達の郁人(イクト)が話し込んでいた。
「お、おかえりー!どうだった?」
「頭の中パンクするって言ったら、諦めてたよ」
陸と偶然会った事は、何故か言えなかった。
二人の問題だし…別れた後じゃ、問題も何もないんだけどね。
郁人はおもむろにチョークを持ち、黒板に何かを書き始める。
それをあたしと真美は黙って見つめていた。
「……バイト?」
真美と同時に言葉が合わさったが、疑問で首を横に傾けた。
「そ。俺近所の喫茶店でバイトする事になった」
「郁人が喫茶店?ないない…」
真美は左右に首を振って笑っている。
もともと、郁人はサッカー部に入っていたが、冬休みに入ると部活が休みになるらしく短期でバイトする事になったらしい。
あたしも前にバイトをしていた事があったが、疲れが限界にきてやめちゃったなぁ。