初恋が終わる頃に





なんて最悪な一日なんだろう…



しばらく陸の後ろ姿を黙って見つめていると、とうとう姿が見えなくなってしまった。



何にも問い詰める事なく、ただ別れを告げられて止める事も出来なかった。



あんなに大好きだった人が離れていくのを、あたしは呆然と立ち尽くしているだけ。



「もうやだ…」



陸がその場にいない事をいい事に、我慢していた涙腺が壊れる。



ただ一人、誰もいないこの公園でひたすら泣くだけの自分が、惨めで情けなかった。



今からどう足掻いても無駄なのに…助けてくれる人なんて誰もいないのに…



心の中はズタズタに傷を被って、辛い。



「…うっ」



声を押し殺す必要も、泣き顔を隠す必要も、ない。



せめて陸の目の前で涙を見せなかった自分に驚いた。



普段涙腺がゆるいから、すぐに泣く癖が昔からあったあたしは、よくどうでもいい事で陸を困らせてたなぁ…





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