初恋が終わる頃に





そんな思いを自分の中で思い出しながらも、ベンチに座り直して頬に流れた雫を拭った。



3年間思いを寄せて、初めて卒業式の日に告白したのをふと浮かんだ。



『ずっと陸の事が大好きで…』



『じゃ、付き合う?』



あの頃に答えてくれた言葉は、一体何だったんだろう。



同情?



両想いになれたとばかりに、気が抜いていたのかも知れない。



調子に乗ってカップルらしい馴れ合いとか順序を踏みたかったのかも知れない。



そんなあたしに疲れた陸は、今日別れを告げて…



考えれば考える程辛くて、涙が止まらなくなる。



家に帰ればいいものの、こんな泣き顔で近所の人や親に見られると思うと足が動かなかった。



すると…



冬の風が横を吹き抜けて、チェックのミニスカートが揺れるのを必死で抑えた時。



ロングの黒髪が乱れ、あたしは目の前の視界が狭まった。



片方の手で髪を整え…前を向くと…





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