初恋が終わる頃に
ベンチに寄りかかると、ボーッと真っ青な空を見上げる。
呑気なこの公園は、さっきの重い喫茶店とはまるで別世界のようだった。
優木くん…大丈夫かな?
あたしのせいで、また関係がもつれちゃったかな?
今度会ったら謝らなきゃな…なんて目を瞑った時。
目を閉じていても分かる視線に気付き、パッと開いた。
…なんで?
「逃げんな」
「…ごめんなさい」
目の前にはキリッとした表情でこっちを見る優木くんがいた。
こんなすぐに会うなんて予想もしてなくて、驚いた…
それにしても走ってここまで来たのに、優木くん速くない?
もしかして…追いかけてきた?
咄嗟に謝れば、ちょっと切ない顔に変わる優木くん。