初恋が終わる頃に





こういう時、頭が追いつかない。



あの頃のような…感覚が戻ってくるような気がした。



中学1年生の時の…ギュッと揺れるような感覚が。



「優木くんは、優しい人です」



「ん」



「冷たくて…優しい人」



あたしは言葉が止まらなかった。



涙がポロポロと溢れて、だけどジッと彼の目を見て声を上げた。



「そんな人が…大好きです」



溢れた想いが、ゆっくりゆっくりと流れ出す。



出会ったのは偶然だとしても、あたしが恋をしたのは運命だと思うの。



優木くんの側でいたいって心から思えるの。



優木くんの一番じゃなくてもいい。



…あたしの一番でいてほしいの。






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