初恋が終わる頃に
きっとあたしを心配して、あたしと同じように店を出てきたんだろう。
店長に悪い事したあたしは…店に合わせる顔がない。
ハァと大きなため息を一つ零して、あたしは小さく一歩ずつ家へ帰った。
次の日、昨日の泣き疲れたせいで朝に鏡を見れば顔がパンパンに腫れていた。
携帯には郁人から着信5件が履歴で残されているのに気付き、昨日の出来事が現実なんだと引き戻される。
そんな事をボーッとベットの上で考えていると、急に携帯が振動した。
「…もしもし」
ディスプレイを見れば、郁人からの着信で…渋々ボタンを押して携帯を耳に当てる。
『おまっ…やっと出た…』
頭ごなしに怒られるのかと思いきや、郁人は呆れるような口調で心配してくれていた。
郁人に迷惑かけたのは初めてかも知れない。
「ごめんなさい…っ」
『お前、今日店来い』
「え?」