初恋が終わる頃に
『秘密。今日店に来れば教えてやる。俺もシフト入ってるし』
どうしても郁人は、店に来てほしいようだった。
あたしも店長にちゃんと話もしたいし…行くしかないかな。
「分かった…今から用意するね」
あたしはそれだけ言い残し、電話を切って携帯を閉じる。
こうでもしなきゃ、前に進めないと思うし優木くんに悪い気がした。
部外者のあたしが首を突っ込んで場をめちゃくちゃにしちゃって。
「…本当、馬鹿」
あたしはベットのフカフカ布団を手のひらで一発叩いて、立ち上がり用意をし始めた。
…そんなこんなで用意を済ませたあたしは、少し勇気を出して玄関から飛び出す。
もし、店長と優木くんの間に後戻り出来ないような事が起こってたら?
全部、あたしのせい。