初恋が終わる頃に





思わず目が合って、あたしは冷静な対応で振舞う事にした。



弱音なんて他人に吐いた事もないし、心配かけられるのが嫌いだったから。



例え知らない男の人でも…ね。



「泣いてなんかないです」



「嘘。思いっきり泣きべそ掻いてたじゃねーか」



「そんな見ないでください…」



いつから公園にいたのか、いつから目の前に立ってたのかさえ謎。



もしかしたら別れの修羅場を見られてたのかも知れない。



そうなれば…ここにいる事が恥ずかしくて情けなくて帰りたい。



場所を変えようと立ち上がろうとした時。



彼に腕を掴まれてこう言われた。



「ここにいろ」



ポツリと呟いた彼に、あたしはまた見とれてしまう。





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