初恋が終わる頃に
どういう事ですか…?
すると、先輩は少し悲しそうに口角を下げながら話し続けた。
「ずっと気になってたんだ。店長の事」
「え?」
「俺、店長と同い年で仲良いじゃん?結構恋愛の話もしてたんだよ」
机の上で、お客さんに渡す紙ナプキンを両手で折り紙をするようにイジる先輩。
その行動に目を惹かれながら、耳は話へ傾ける。
「俺はちょうど2年前、この店に働き出したんだよねー」
思い出すかのようにハハッと笑いが混じりながらも、だけど目は笑っていなくて。
「そんで、出会ったのが店長」
何となく…話のオチが分かってきたかも知れない。
だけどそれは自分の口から出せるわけにもいかなくて…じっと目線を外すかのように先輩の両手を見つめ続ける。