初恋が終わる頃に

「俺は、飛びぬけて美人の店長をいつの間にか目で追ってた」



「だけどね？ある時、店長が言ってたんだよ」



「私、大好きな彼氏がいるの。って」



「俺なんて比べ物にならないような、店長のような飛び抜けた男と付き合ってたんだなって」



「聞いた瞬間、"やっぱりね"なんて思っちゃったしね」



あたしが返事をする暇もないくらい、さっさと話続ける先輩に…直視出来ない。



あたしにそんな辛い恋愛話を話すって事は、何か意味があるんですよね？



「千葉優木は反論出来ないくらい、完璧な男だったよ」



「ん…はい…」



「俺、優木と店長とは長い付き合いだけど、一回もお似合いカップルなんて思った事ないけどね」



その言葉でピタッと言葉を失ってしまったあたし。



それを見抜かれたように、イジっていた両手もピタリと止まってしまった。