初恋が終わる頃に
「とりあえず…優木が好きなら、好きでいて良いと思うよ。瑞樹ちゃんも笑った方が可愛いから」
そう言ってあたしの頬をプニッと掴んだ。
きっと"笑え"って意味なんだと思う。
感じ取ったあたしは、ゆっくり微笑むと"よろしい"と先輩も微笑み返してくれた。
先輩、ありがとうございます…
あたし自身、元気に笑ってないと優木くんも笑ってくれないですよね?
別に振り向いてほしいとは思わない。
欲張りになんてならないから、せめて優木くんの笑顔を側で見ていたいから。
あたし、頑張ります。
その日からバイトは少し休暇をとって、学校が冬休みに入るのを待った。
郁人はあれからもシフトを入れてもらい、平然と喫茶店に入るのをよく見かける。