初恋が終わる頃に
冬休みが近づく度に、郁人と真美は優木くんと店長の恋愛に予想図を立てていた。
「いや、絶対別れるでしょ」
「でも俺はお似合いだと思うんだよなー…」
横で言い争う二人に、あたしは興味もなく机の上で頬づいて外の景色を眺める。
いや。
興味がないと言えば嘘になるけど…気になっちゃうんだよね。
店長だって根から男性好きとかではないし、すごい優しい理想の女性だもん。
悪い人とは言えない憎めないような、そんな人だから。
「ねぇ、瑞樹はどう思う?」
急に真美から話を振られて、何て答えようか戸惑っていると…
「こいつの意見とかどうだっていいんだよ」
郁人はフォローなのか、本音なのか何故か割り込んであたしの答えを遮った。