初恋が終わる頃に
真美は優木くんの存在しか知らなくて、店長とは顔を合わせた事がない。
そのせいで"浮気"という単語を聞いたので、頭ごなしに店長の愚痴を零すのがしばしば。
表から見れば、そうなっちゃうんだろうな…
「冬休み、二人共バイト尽くしなの?」
「あたしはあんまり入ってないよ」
「俺もイベント事は避けてもらってるけど?」
そんな言葉を聞いた真美は、目を輝かせながらパンッと両手を合わせた。
その行動に首を傾げて不思議がると、郁人は何か思い出したように口をポカンと開ける。
「お前、男と別れたんだっけ」
ポツリと簡単に呟いた郁人の言葉に、あたしは耳を疑った。
「ど、ど、ど、どういう事?!」