初恋が終わる頃に





補習は冬休みの始めの一週間。



午前中だけの補習授業だけど、あたしにとっては憂鬱以外の何物でもない。



真美は成績優秀なわけで…当然、あたし一人が補習に行くハメになってしまった。



「明日からだぞー!」



だなんて先生の叫ぶ声を逃げるように、あたし達は教室を出た。



「ねぇ、一週間の補習期間って事は…クリスマスどうなるの?」



恐る恐る隣で歩いている真美に問いかけると、勿論と言う顔であたしを見る。



「補習を済ませてから。だね」



サボる考えがふと浮かんだが、真美もそれを阻止するような目で見てくるので渋々諦める事にしよう…



学校の正門を出ると何処に行くか目的地を決めていなかったあたし達は、しばらく立ち止まった。



「どうする?」



あたしの言葉に真美は首を傾げて悩んでる様子。



だけど、少し考えると思いついたように両手を叩いた。



「ね。喫茶店行ってみたい!」



「…どこの?」



「勿論、瑞樹と郁人のバイト先」







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