高野先生の腕のなか



私は近づいてくる神山くんの顔から出来るだけ顔を逸らし、力の限り思いっきり足を蹴り上げた。


「い……っ!」


顔を歪めて股間を押さえる神山くんの横をすり抜けて、私は走り出した。


もう一生関わりたくはない、過去の想い人と思い出を置き去りにして。



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