高野先生の腕のなか



それを聞いて、多幸感が胸の奥からこみ上げてくるのが分かった。


こんなに高野の側にいられることが嬉しいと思ったことはない。


やはり、本当に好きだと自覚したからだろうか。


「教えてほしい、ってくる人少ないんだ。俺、教え方下手なのかな、って結構ヘコんでて」


テキストに丸をつけながら、高野はそんな風に言った。



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