高野先生の腕のなか



私が隠れた理由は、それを見たからだ。


長い髪を耳にかけ、時々高野の方を見て話すその笑顔は可愛らしい。


私はあの人を知らない。


誰?


高野は一体、誰と話しているのだろう?


二人に注目していると、僅かに会話が聞き取れるようになってきた。


悪いとは思うものの、聞かずにはいられない。



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