高野先生の腕のなか



「……ま、」


言えない。


言ってはいけない。


高野は先生で、私は生徒。


高野は23歳になり、私は16歳である。


いくら高野と私が、他の先生、生徒よりも一枚込み入った仲だとしても。


それだけの話である。


私たちが進展することはない。



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