高野先生の腕のなか



昼休み、ノートを取りに行くと高野はプレゼントを整理しているようだった。


「あ、山崎さん、いらっしゃい」


私は高野に変な気を起こさないよう心を落ち着かせながら、注意深く言葉を探った。


「モテモテですね」


「そんな、からかうのはよしてよ」


「だって、本当のことじゃないですか」


高野はプレゼントをもう一度見て、照れたように笑った。


それから、ノートはあそこだよ、と離れた机を指差した。



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