高野先生の腕のなか



「いいよ。もうそんな歳じゃないし」


『年齢なんか関係ないじゃん。あたしは学のことを思って……』


「本当に、いいよ。そういう気分じゃないんだ、今日は」


電話口の文句を聞き終わる前に、俺は通話終了ボタンを押した。


山崎さんのことで、こんなに憂鬱になるなんて。



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