高野先生の腕のなか



「……お気持ち察します」


「嫌ですよ、高野先生がそんなに落ち込まないでください。教師やってるとこんなことはよくあることなんです。生徒たちは私らに心を開いているようで、実際は違うってことですよ」


言い終わったとき、保志先生は教頭先生に呼ばれて、じゃあ、と俺に向かって会釈し、座ったばかりの席を去った。



.
< 178 / 357 >

この作品をシェア

pagetop