高野先生の腕のなか



馬鹿みたいだ。


机の上を整理して、俺もまた座って間もない椅子を立った。


職員室を出るとき、さっき指導されていた生徒が平気な顔をしてキャハハと声高らかに笑いながら、他の生徒たちと廊下を通っていった。


俺は、俺たち教師は、生徒の何を知ることが出来るというのだろうか。


むしろ、知るべきではないのだろうか。


踏み入ってはいけない領域があるのだろうか。



.
< 181 / 357 >

この作品をシェア

pagetop