高野先生の腕のなか
その場で訳を聞こうとしたときに、三木先生が丁度廊下を歩いてきて、ニヤニヤしながら素通りしていった。それで、仕方がなく数学教諭室に招き入れたというわけだ。
コーヒーを差し出すと、甘いのじゃなきゃ飲めない、とかなんとか。仕方なく、自腹を切った砂糖とミルクを三杯分ほど渡した。
「で…、どうしたの?」
記憶に薄い生徒だが、一体何組だろうか。上履きの色から、一年であるということは分かったのだが。
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