高野先生の腕のなか



教室には誰もいなかった。


時間割を確認すると、五時間目は体育だ。時計は13時15分を指している。


なるほど、みんな体育館に移動したのか。それにしても、誰も待ってくれないとは薄情な連中だ。


ノートを教卓の上に置き、急いで体育着を持って教室を出る。


早足で階段を降りていると、体育館履きを忘れていることに気づいた。



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