高野先生の腕のなか



泣きっ面に蜂とはこのことか?


「…誰のせいで」


ため息混じりに応えると、神山くんは面白くなさそうに唇を尖らせた。


「てきとーだなあ。もしかして、本当に高野にフラれたとか?」


答えられず、ただそちらを睨むと、神山くんは嬉しそうに、へえ!、なんて声をあげた。



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