高野先生の腕のなか
面白そうにこちらをじろじろ見てくる神山くん。
「なんだったら、俺が付き合ってやろうか。高野の代わりに」
私は、″代わり″だなんて言葉を神山くんが出したことに驚いて目を見開いた。
まさか、高野のことがバレて…?
いや、落ち着け。もし神山くんに、高野が神山くんの代わりに私と関係を持ったことが知られているのなら、先日のやり取りは余りに不自然だ。フられる、なんて発想もないはず。
なら、神山くんは全くの偶然で″代わり″という言葉を紡いだのだ。
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