高野先生の腕のなか



とりあえず起きようとすると、鈍痛が走った。


頭と全身を打ち付けたらしいが、左の足首と、右肩が特に。


これじゃあ起き上がれそうもない。


そう理解すると、急に怖くなった。


誰もいない廊下。


痛み身動きがとれない体。


私がここで倒れていることは、誰も知らない。



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