高野先生の腕のなか



「高野…先生…?」


高野がいた。


高野が、教材を抱えてそこに立っていた。


高野が、高野が。


私の瞳から勝手に零れた涙に、高野はぎょっとした様子で狼狽した。


だって、嬉しくて。安心して。高野に、会いたかったから。



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