高野先生の腕のなか



涙が止まらない私に、高野はしゃがんで髪を撫でてきた。


「どうした?」


しゃくりながらも、説明しようとする。


「階段から、…落ち、て」


「うん」


「足、、が……」


足首を触って高野を見ると、高野は先程より落ち着いた様子で、わかった、と頷いた。


と思ったら、次の瞬間、私の体はふわりと持ち上げられていた。



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