高野先生の腕のなか



その反応で今私はとんでもないことを言っているのだと気づいたが、変な意味はない、と自分に言い訳して、真面目な顔で高野を見つめた。


高野は戸惑うが、観念して私の横に一人分ほど間を空けて座った。


「むこう、向いてて」


何もない壁を指差すと、高野は怪訝そうにしながらも顔をそちらに向けた。



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