高野先生の腕のなか

+ 意識




車窓からの風景が流れていく。


帰りの車の中、俺はこの車が俺だけの密室で良かった、なんて考えていた。


何故って、それはこのニヤついた顔を誰にも見られないからだ。


助手席にちょこんと座った紙袋。


それを横目で確認しては、笑みが深く刻まれる。



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