高野先生の腕のなか
代わりとしての俺の存在意義。それは、山崎さんの気持ちが整理できるまで。山崎さんが壊れてしまわないようにすることだった。
だが、これはどうだろう。山崎さんのことを好きな人が現れた。山崎さんに何もかも釣り合う相手が。
俺の存在は少なからず邪魔になるだろう。
山崎さんの中に″代わり″としての俺がいる限り。山崎さんが″代わり″の存在に頼ってしまう限り。
ゆっくり、数学教諭室への途を辿る。
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