高野先生の腕のなか






と、思っていたのだが。


「数学係…、は、山崎さんだね。山崎さんは怪我をしてるので、誰か他にノートを運んでくれる人はいますか」


高野が呼びかけ、教室がざわつく。


今朝、全校集会があり、昨日のことが話された。その際、私の名前は出なかったのだが、今の高野の言葉で「もしかして山崎さんが?」と思われたようだ。


前の席の友人が振り返る。



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