高野先生の腕のなか



早く治れ。早く。


なんて念じてみても素直に治る足ではない。


「そんな顔しないの」


膝をついて湿布の貼り替えをしながら三木先生が苦笑する。


私も苦笑するが、心の中ではため息を吐いた。


自分の不運さが憎い。



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