高野先生の腕のなか



だって、私が何を言ったところで絢香の気は晴れない。


私は高野を諦めるつもりはないし、高野はきっと絢香をそういう目で見ていない。


絢香が不憫で仕方ない。


彼女にカッターを握らせているのは私だ。


私が何故、「手放せ」なんて言えるだろう。



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