高野先生の腕のなか



「あ…」


それを見た絢香が我に返ったようにカッターから手を離した。


カターン…と間延びした音が響く。


「あたし…あたし…」


恐怖に引きつった顔が一歩ずつ後ずさる。


私は足に力が入らず、その場に座り込んだ。



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