高野先生の腕のなか



俺は酷く恥ずかしかった。


『ねえ、美咲ちゃん』


一緒の帰り道、俺の言葉に美咲ちゃんは無邪気に振り返った。


『何?学くん』


『もう、名前で呼び合うのはやめよう。一緒に帰るのも…。これからは、別々にしようよ』


美咲ちゃんは傷ついた表情を見せた。



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