高野先生の腕のなか



ー俺が殺した…?ー



頭の中で誰かが呟いた。


俺があんな事を言い出さなければ、俺があんな風に断らなければ、美咲ちゃんは…。


その日見た夢には、あの帰り道での美咲ちゃんと俺が出てきた。


美咲ちゃんは泣く。俺はただ、ごめん、ごめんと謝る。


すると美咲ちゃんは泣いたまま微笑んで言うのだ。


「…分かった。しょうがないよね……」



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