高野先生の腕のなか



「先生…?」


起き上がろうとすると、腕に点滴が付けられており上手く動かせない。


そんな私を慌てて高野が制する。


「先生が、安静にしていればすぐに退院出来るって。だから、今は寝ていなさい」


高野が言う先生というのは、医者のことだろうか。退院ということは、私は入院しているのか。


どうも頭がぼんやりして、思考が上手く回らないのだ。



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