高野先生の腕のなか



「俺は、山崎さんを縛り付けたくない」


「嫌なんて、言ってない」


プリントを見ながら、返した。


「縛り付けられてなんか、ない。先生、私ね、先生が」


「今日は、手伝ってくれてありがとう。ごめんね、こんな俺で」


高野の大きな手が私の頭を撫でる。



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