高野先生の腕のなか



「保健室、行く?」


「あ…、」


そうだ、保健室で休んでいれば、少なくとも今すぐ高野に会うことは回避できる。


もともと今日は変な噂もあったし、高野に会うのは控えた方が良い。


よし、保健室に行こう。


「どうした?」


考えがまとまった途端、頭上から聞こえた声にびくりと肩が揺れた。


恐る恐る顔を上げると、そこには、心配そうにこちらを覗き込んだ高野の顔。


最悪だ。



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