高野先生の腕のなか



ふと噂を思い出し、辺りを見回すと、何人かがこちらを見ている。その中には絢香もいた。


私は不思議に思った。


絢香はまるで宿敵でも見るような鋭い眼差しを私たちに向けていた。それはただの噂好きの目にはとても見えないものだった。


しかしその疑問をなぎ払ってしまったのは、その向こうにいる神山くんだった。



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