高野先生の腕のなか



養護教諭の三木先生は、保健室にはいなかった。高野は、きっと職員室だろう、と言った。


高野は先生を呼びには行かず、私をベッドに座らせた。


私が泣いているからだと思う。


「吐き気は、ある?」


首を横に振る。


「どこか痛い?」


横に振る。



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