高野先生の腕のなか



「…なんで、神山くんが怒るの?」


「怒ってるわけじゃないんだ。……うん」


神山くんが立ち止まる。


私と神山くんとの距離は、ほんの少しになってしまった。


「山崎さんのことは、本当に恋愛対象じゃないんだ。そう。だけど、……なんて言えば良いのかな」


困ったように苦笑する神山くん。



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