二人の壁は
そんなことを延々と考えてたら、授業を終えてHRが終わる時間
「最近不審者が出るようだから、気をつけて帰るように!なるべく1人で帰るなよー」
って…1人で帰らなきゃいけない日になんて事言うの
「それでは解散!じゃあなー」
………最悪
皆が席を立ち、帰り仕度を始める
「麗?」
「芯莉…」
早くも帰り支度を終わらせた芯莉が話しかけて来る
「どうかした?」
「うん…葵がね」
あたしは昼休みに葵といた時の事を話した
「…女と帰るって言ったんだ」
「うん…芯莉の言う通りだったね」
葵モテるもん…
今まで彼女いないのが不思議だよ
「はぁ…麗も麗だけど、矢田もバカね…」
葵がバカ?
「何その…矢田のどこがバカなのって顔は?」
「あっ…出てた?」
「思いっきり出てた」
ありゃー…
「まっ…あたしは今日一緒に帰れないから、一人で帰るのね」
一人で!?
「不審者…いるのに」
怖いよ…
「仕方ないでしょ?まぁあんた可愛いから、心配だけど…大丈夫よ、多分ね」
多分って…
「じゃ、帰るから…バイバイ」
一応手を振って芯莉を見送った
「あぁ…どうしよう」
帰るしか…ないよね
席を立って下駄箱に向かう